リノベーションマンションが売れない理由
- Yuichiro Noguchi
- 3 日前
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マンションを選ぶ際に、購入者が最も重要視しているのは立地環境です。国土交通省の「住宅市場動向調査報告書」によると、物件を決める際に52.2%の人が立地を重視しているそうで、立地条件がよくないマンションは、通勤や通学のしづらさや、生活の不便さが懸念されるため、買い手が購入をためらう一因になります。
不便な場所や人気のないエリアの物件は、基本的にリノベーションしてあろうとなかろうと売れづらいのは当たり前。よほど物件に魅力がある場合を除いては、基本的に相場よりも安くないと売れません。このような物件を購入してリノベーションした場合は、リノベーションの掛かった費用を回収することはまず困難だといえるでしょう。
それでは、人気のエリアや便利な場所にある中古マンションを選んでリノベーションした場合はどうでしょうか。そもそも中古マンションは新築と違って、一棟分が丸々売り出されることはありません。したがって流通量が少なく、人気のエリアであれば相場より安く売り出されることはありませんので、そこをリノベーションした場合、周辺マンションと比べてかなり割高になってしまいます。
その場合、近隣のより築年数の浅いマンションやハイグレードのマンションと価格的に競合することになるので、内装が一新されたといっても築年数の経過したマンションは基本的に選ばれにくくなります。
つまり、リノベーションマンションを将来売却することを考えた場合、人気エリアにある物件を相場より安く購入し、リノベーション費用を足しても周辺相場より高くならないように価格を設定にする必要があるということが大切です。
基本的に人気エリアで相場より安く物件を購入することはかなり難しいので、相当古いマンションの中から探すことになりますが、古ければ古いほど建て替えになる可能性が高まるので、そこへ大金をかけてリノベーションすることはオススメ出来ません。
リノベーションするのであれば、キッチンや浴室などの水回り設備の交換時期となる、築20〜30年程度のマンションを選ぶのが最も適切です。新築から一度も交換してないのであれば、設備の入れ替えをするのにちょうど良いタイミングで、その時に床下の配管も含めて、フルリノベーションを行うのが最も効率的。そこから更に20〜30年(築40〜60年)は、建て替えになることもまずありません。
リノベーションで気をつけるのは、個性的な間取りや内装にしないこと。オーダーメイドのリノベーションは魅力的ですが、基本的に個性的なものは売れづらいので注意が必要です。かといって普通の間取りや内装だと、わざわざリノベーションする意味がなくなってしまいますので、そこはセンスが大切になっています。安易なリノベーションは物件の資産価値を下げる結果にもなりかねません。
よくある再販リノベマンションの多くは、古い物件にローコストのリノベーションを施してありますが、コストと売れやすさから無難な間取りと内装になりがちですが、間取りや内装に特徴もなく、単に内装が今時でキレイになっているだけであれば、多少が高くても築年数が経っていない築浅のマンションを選ぶ人の方が多いのは当たり前ではないでしょうか。そのことが、結果的にリノベーションマンションは売れづらいということに繋がっています。
本来、リノベーションマンションは、既存のマンションにはない個性的な間取りや内装を作れるのが最大の魅力。既存マンションが、価格と売れやすさを考慮して、万人受けする標準的な仕様になっているのに対して、それでは満足できない層にとって、リノベーションがその課題を解決してくれるのです。そのような人々が求めるものは、合理性や経済性だけでなく、独自の価値観など、一般的には理解されにくい面も多分にあります。そのようなニーズをきちんと捉え、実現させることが、リノベーションを成功させる秘訣ではないでしょうか。

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