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安い土地を買わない方がいい理由

更新日:2023年4月11日

マイホーム計画で最初につまづくのは土地を探しではないでしょうか。まずは家を建てるには土地が必要です。土地探しは初めての人がほとんどだと思いますが、最初に自分の住みたい街を探すと思いますが、住みたい街には思ったような土地がなかったり、あったとしても想定よりも高額だったりして、理想的な土地はなかなか見つからないのが現状です。


そもそも自分が住みたいと思う場所は、他の人も住みたいと思うもの。人気のある街は買い手が多いこともありますが、住んでる人も余程のことがない限りは売ることもありません。美味しいものを食べるのに、待たずにすぐに食べたいというのと同じことで、本当に良い土地を探そうと思うなら、時間をかけて地道に探すのが正解です。


家を建てることが目的だから、土地は早く安く見つけて、建物にお金をかけたくなるのが普通ですが、安くて良い土地を探そうと思っても、売る側は少しでも高く売りたいものです。人気のある土地は相場より高く、売れない土地は相場より安いというのが当たり前。


土地探しで一番失敗するのは、今、売りに出ている土地の中から選ぶことです。そもそも、自分が土地探しをする時点で良い土地が売れ残っていることは滅多にありません。住まい探しを始めた時に売りに出ている土地は、基本的に売れ残っている土地と思った方が間違いありません。


売れていないということは高過ぎて買い手がつかないか、人気がない場所や立地が悪いなど、さまざまな理由が考えられます。価格が高過ぎるといった土地の場合、値段を多少下げればすぐに買い手がついたりします。だからこのような土地がいつまでも売れ残っていることはあまりありません。つまり、家探しを始めた時点で売りに出ている土地は、ほとんどが人気がない場所や立地などの条件が悪い売れない土地である可能性が高いのです。


なかなか良い土地が見つからず、そのような方々が辿り着くのが、建築条件付きで住宅会社が決まっている分譲地です。新しく分譲地として開発された土地はきちんと整備され、家を建てるのに丁度良いように作られています。もちろん分譲地内には良い土地とそうでない土地があるものの、相対的には家を建てるには丁度良い土地になっています。


住宅会社は家を建ててなんぼです。土地は家を建てるために必要なだけで、土地で儲けている訳ではありません。だから住宅会社は安い土地を見つけて、建物に予算を使ってもらおうとします。家を建てる人も立地やロケーションにこだわりを持つ人よりも、建物にこだわりたいという人の方が圧倒的に多いはずです。結果的にお施主様も住宅会社も安い土地に建てる方が正解だと考えるのです。


安い土地を買って家を建てることは、将来に大きなリスクを背負うことにもなりかねません。どんなに資産価値のある家でも人気のない土地に建ててしまっては元も子もありません。マイホーム計画において最も重要視しなければいけないのは、建物ではなく、いかに良い土地を手に入れるかということではないでしょうか。


マンションと違って注文住宅の場合は、自分の理想の家を作ることが出来るのが最大の魅力。他人の建てた家よりも自分で建てることに意味があるので、


意味がないともいえ魅力がないともいえます。家族構成やライフスタイルの違う人にとっては理想の家であることの方が稀でしょうし、余程安くない限り、家は初めて建てる人がほとんどです。当然ながら家づくりで後悔する人は後を断ちません。家は3回くらい建てないと良い家が建たないといわれるくらい難しいものです。一戸建ての建物に殆ど価値が付かないのは中古住宅市場をみれば明らかです。


20年の価値しかない家を35年ローンで購入しても、20年後の資産価値は実質土地の価格だけです。しかも古い家が建っている時点で売却時にはマイナス査定になってしまいます。にもかかわらず安い土地に家を建てる人は大抵、一生住み続けるのだから関係ないというのですが、35年も住宅ローンを払いづつけることは思っている以上に困難です。


共働きが当たり前の時代ですが、夫婦ともに35年後も今の仕事を続けられる人はどれくらいいるのでしょう。何かあった時に困らないだけの余裕があれば良いですが、そのような人は決して多くないでしょう。何かあった時にマイホームを手放すことになる人は少なくありません。実際に一戸建てが売りに出ている数は相当数あり、その多くが何らかの理由で手放さなくてはならなかったのです。


戸建てと比べるとマンションは売却しやすく、もともと万人に受け入れられるような建物や間取りになっていて、建物の耐用年数も60年とも70年ともいわれます。但し、マンションも戸建て同様に立地がとても大事で、人気エリアのマンションとそうでないマンションでは売買価格や売れやすさには雲泥の差があります。例えば、人気エリアにある富裕層に方々が買うようなマンションは、かなり古くてもそれなりの価格ですぐに売れてしまいますが、どこにでもあるような普通のマンションはそう簡単には売れません。


家を建てる時に売却することを前提に計画する人は稀でしょう。しかし、売却しやすい家は資産として有効です。何かあった時はもちろんですが、何もなくても買った時よりも高く売れるとか、もっと良い家に住み替えすることも可能です。マイホームは一生に一度の大きな買い物ですが、意外と勢いで決めてしまう人が多いようです。買い直しがきかないからこそ、もっと慎重に選ぶ必要があるのではないでしょうか。


巷では資産価値の高い家づくりといわれる住宅会社もありますが、決して高額な家が高く売れるわけではありませんし、流行のデザインや最新設備が満載の家も時代とともに風化していきます。将来に亘って他人にとっても魅力的で住みたくなる家こそが、”資産価値の高い家=高く売れる家”です。


安藤忠雄氏が設計した大阪市住吉区にある「住吉の長屋」は竣工から50年近くが経とうかとしています。いまだに当初の施主が住み続けられています。もしこの家が売却されるとしたら購入希望者が殺到するのではないでしょうか。当時、一千万円程で建築されたそうですが、今後、この家が売却されるとしたら、一体いくらになるのかとても興味深いところです。





LIVING WITH LIGHTS | 美しい灯りと暮らす


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861-8001 熊本県熊本市北区武蔵ヶ丘1丁目15-16


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