• Yuichiro Noguchi

ペンダントライトの適切な高さとは

 「照明は天井にあるもの。」それは正にシーリング(天井)ライトの事を指しているのですが、ダウンライトが中心になる中で、最近はペンダントライトの需要が増えています。そこで見落とされがちなのが「ペンダントライトの高さ」です。


 これまでは天井いっぱいに取り付けるのが当たり前だった照明器具。100Wや60Wといった電球のW(ワット数)が明るさの基準になっていました。普通の家の天井高は殆どが2.4m程ですので、そこに60Wの電球が一個の明るさが部屋の広さに対して明るいか暗いかといった感じです。畳一畳程のトイレの照明といえば大体60W一個程度で充分足りますので、6畳の部屋であれば100W相当のダウンライトが3〜4個程度が適切といえるでしょう。


 ダイニングテーブル上にペンダントライトを使う場合はどうでしょうか。6畳程の広さのダイニングスペースに100W程度のペンダントライト一つでは部屋の広さに対して全く足りていないことが分かると思います。


 その場合はペンダントライトの周りに100W相当のダウンライトが2〜3個必要だということになりますし、ペンダントライトが60Wだった場合や食事以外にはペンダントライトを付けないとしたら、100W相当のダウンライト3〜4個が必要というわけです。


 但し、ペンダントライトの場合は天井から少し下がった位置に電球があるので、天井に付いた同じ100Wの照明よりもダイニングテーブルの上は随分と明るくなります。


 ごくごく当たり前のことですが、「光は近い方が明るくなり、離れると暗くなります。」つまり、同じ明るさでもより近くに設置すればもっと明るくなるし、60Wのペンダントライトでもよりダイニングテーブルに近い位置におくことで100Wのものと同等の明るさを確保することが出来るのです。


 実はペンダントライトの高さをテーブル上から1mにした場合と、同じく70cmにした場合では70cmにした方が明るさが2倍になるのです。それは”光の減衰の法則”によるもので、距離による光の減衰は距離の二乗に反比例するといったものです。1mの距離では「1²=1」が、70cmでは「0.7²=0.49」となり、1/0.49倍(約2倍)となるのです。

 このように照明の高さが30cm変わるだけで真下への明るさが2倍も変わるのであれば、照明の高さがどれほど重要であるかが分かると思います。


 これまで天井にあるのが当たり前だった場合では、「何W」や「何ルーメン」といった単位で照明を選んでいれば良かったのだと思いますが、そこには照明器具を設置する高さの概念はありませんでした。それ故にペンダントライトも天井の上の方へ設置することでダイニングテーブル上の明るさも足りず、100W相当の照明一つでは部屋が薄暗くなるのは当然です。


 ダイニングテーブルに設置する照明の適切な高さは、ペンダントライトであればテーブル上の60〜80cm、シャンデリアになると1m以上といわれています。白熱電球60W相当のペンダントライトであればテーブル上から60cm、100W相当の場合が80cmで同等の明るさになるわけです。


 このようにペンダントライトを低くすることで、電球の明るさは60W相当でも充分足りることが分かると思いますが、過度に強くない光は近くにあっても眩しさを感じにくい上に空間を柔らかい灯りで包んでくれます。さらにダイニングテーブル以外の余計な所を照らすこともなく、見たい場所をフォーカスして見たくない場所は影で覆ってくれるのです。


 また、低く吊るしたペンダントライトはダイニングテーブルとの一体感も増し、お部屋のインテリアもワンランクアップして見えるはずです。


 後は部屋全体の明るさを考慮して、ペンダントライトの周りにダウンライトやテーブルランプ、フロアランプといった照明を上手く配置すれば、シーリングライト一つで全体を照らすよりも、手元はもっと明るくなる上に部屋全体にも奥行きや陰影が生まれ、柔らかな灯りの素敵な住まいを作ることが出来るでしょう。


 

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