「クワイエット・ラグジュアリー」とは、英語で「Quiet(静かな、控えめな)」+「Luxury(高級、贅沢)」と表記されるように、文字通り「静かな」「控えめな」ラグジュアリースタイルのこと。
一目でハイブランドだと分かるようなロゴやモチーフのない上質で落ち着いたデザイン。シンプルでミニマルでありながらも、最高級の素材、完璧なディテールなど、“真のラグジュアリー”というものは、誰かに見せびらかす必要はなく、謙虚さと共にあることで品格をもたらしてくれるもの。
世界的なインフレで貧困格差が拡大している今、裕福であることをあからさまに見せつけるようなロゴ入りのファッションや、注目されることを意識した派手なデザインは、より広範な社会において不快とされる傾向があります。
コロナ禍で強化されたミニマリズム、持続可能性への意識の高まり、本当に必要なもの以外が淘汰され、賢い消費者は、毎年消費される流行りのものではなく、自分が本当にいいと思ったもの、タイムレスで使い心地のいいものを選ぶようになっています。
そんな消費行動の変化とクワイエット・ラグジュアリーの出現が上手く重な理、クワイエット・ラグジュアリーは、「新時代のミニマリズム」とも言われています。
とは言うものの、実際にはこれも一過性のファッションでしかなく、「新しい富裕層(ニューリッチ)」が増えたことにより、世の中に拝金主義が蔓延し、ニューリッチたちの下品なくらい露骨な表現は、しばし他人を不快にさせるほどです。そのアンチテーゼとして「真の富裕層(オールドリッチ)」の考え方に注目が集まったに過ぎません。
オールドリッチたちの暮らしぶりは、いかにも豪邸に住んだり、見るからに高級そうな車を乗り回したり、これ見よがしなハイブランドのファッションに身を包んだりせず、思いのほか慎ましく、謙虚で、一見そうであるか分からないほど。
人に不快な思いをさせることなく、上品で優しさに溢れた態度で接するからこそ、他人から疎まれたり、妬まれたりすることなく、心穏やかで、人として豊かであり続けることが出来るのかも知れません。
LIVING WITH LIGHTS | 心地よい暮らしの照明術
IN THE LIGHT Lighting Design & Interiors
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