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新ショールーム開設にあたって

更新日:2021年2月22日

2021年1月24日に照明とインテリアのギャラリー兼スタジオを熊本市北区武蔵ヶ丘に開設しました。

内装デザインから全てを自身で手掛け、本物のチーク材を使用した突板とイタリア産・輸入タイルを施したインテリアに、世界中から集めたヴィンテージや現行品の照明や家具、それにアートや本に至るまで。さらに1950〜73年まで米・ハーマンミラー社にて製造・販売されていたストレージ・ウォール(通称:CSS)を、今回初めて製作した〈IN THE LIGHT〉オリジナルのキャビネットと組み合わせて復活させる等、店内にはこれまでにない家づくりの新しいヒントが沢山詰め込まれています。


温故知新をテーマに新しいものと古いものをミックスさせ、照明の使い方を始めとするこれまでとは違う生活様式の提案も含め、インテリアデザインの枠を超えたライフスタイルそのものを表現しました。単なるお洒落な空間づくりではない、「本当に豊かな暮らしとは何か」という問いに対する私なりの回答を示したつもりです。


オープン当日に初めてお会いしたインテリアショップの方をお話しさせていただいたのですが、インテリアを語るときによく出る”豊かな暮らし”というキーワード、これには少し違和感を感じるとおっしゃっていました。私も以前から「豊かな暮らし=高級家具を購入する動機付け」といったイメージが払拭出来ず、もっと適切な言葉がないかと思っていました。


今回の内装デザインを見た方の中には、これまで以上に敷居が高く入りづらいと感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、決して高級な内装を目指して作ったわけではありませんし、もちろん高額な商品を売るための設えでもないのです。


実は50年前に建築された私の実家の壁が突板だったり、浴室やトイレの壁がタイルだったりするのですが、今の住宅ではどちらもあまり見ることがなくなっています。

そういったことから、今は見ることがなくなったデティールを復活させ、現代の雰囲気で作り替えることで全く新しい価値が生まれるのではないか、そのように考えて今回のリノベーションを行いました。


それと同時に照明の使い方や古いものを上手に使う欧米の文化といったものも取り入れながら、日本の住宅に新しい流れが生まれることを願って作り上げました。確かに一般的な店舗の内装としては費用がかかっているかもしれませんが、それは見栄を張るためのしつらえではなく、本物の素材だけが持つ経年変化を楽しむためのもの。それ故にこの内装だからこそ醸し出せる雰囲気があると思っていますし、ここまで拘ったからこそ伝わるものがあると信じています。

もし別の方がこの店舗を借りることになったとしても、この内装だから借りたいと思ったという人が出てくれたなら、ここまでやった甲斐があるし、仕事冥利に尽きるというものです。


これまでのスクラップ&ビルドが当たり前の建築業界において、このショールームがデザインの力で次世代へ継承されるようなモノづくりのきっかけになればと思っています。

インザライト

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