店のBGMをスタッフに選ばせるのがダメな理由
- 1 日前
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心理学者のエイドリアン・ノース教授とデイヴィッド・ハーグリーヴス教授は、スーパーマーケットで音楽の種類が客の購買行動に与える影響について実験をおこなった。
ワイン陳列棚の上にスピーカーを設置し、フランス産ワインとドイツ産ワインが半々に置かれた棚には、価格や甘さ/渋みが似たものが用意された。結果は、スピーカーからドイツの音楽が流されたとき、ドイツ産ワインはフランス産よりも2倍の勢いで売れたが、フランスの音楽が流されたとき、フランス産ワインはドイツ産よりも5倍も多く売れたというものだった。
心理学者チャールズ・アレニとデイヴィッド・キムによっておこなわれた別の実験では、ポップスとクラシック音楽がワインショップの客の支払金額にどのような影響を与えるかが調べられ、ポップスの楽曲は客の購買パターンにまったく影響を与えなかったが、クラシック音楽が流れたときに購入本数に変化はなかったものの、客はより高いワインを選んだという結果だった。
スーパーマーケットでおこなわれた別の実験では、スローテンポの音楽をかけると、速いテンポの音楽をかけた時よりも、客が3倍以上のお金を支払うことがわかった。また、レストランでは速いテンポの曲をかけると、客は45分でがつがつと食べ、スローテンポの音楽をかけると、1時間ほどかけてゆっくり食事し、速いテンポのBGMを聴いた客よりも、食事中のドリンクに1.5倍多くのお金を支払った。
ノース教授とハーグリーヴス教授は、大学のカフェテリアで異なる日に異なる種類の音楽を流し、店内の雰囲気についてのアンケート調査をおこなった。
イージー・リスニング音楽をかけた日には、カフェテリアの雰囲気は「大衆的」だという回答が多く、ポップスのときには「明るく陽気」、クラシック音楽のときには「洗練された」雰囲気だと多くの客が答えたということから、「BGMの種類」が人の行動に影響を与えることも明らかにした。
この分野における研究結果を総合的に判断すると、店舗やレストランで正しい種類のBGMをかけると、平均しておよそ10%の売り上げの増加が見込め、反対に、間違った種類の音楽(例えば、由緒正しいレストランでラップ音楽のBGM)は、客をイラつかせ、店内を大衆的な雰囲気、あるいは間違った雰囲気に変えてしまうということが分かる。
カフェでジャズやボサノバを流すことで、「おしゃれ・落ち着く」といった空間の付加価値を高め、高級ブティックではクラシックを流すことで格式の高さを印象づける。反対にポップスは「若々しい・カジュアル」なイメージを持ちやすい。
音楽の雰囲気、テンポや音量は、そのまま場所や商品のブランドイメージに直結し、客の滞在時間や飲食のペース、購買行動にも直接的な影響を与えており、そのことを理解しないままに、たんに自分の好きな音楽を流すのは、売上の機会損失や顧客満足度の低下を招くリスクがある。
店の責任者がスタッフに好きな音楽を選ばせることは、そのようなリスクがあるにもかかわらず、そこに気づいていないということ。スタッフが店の客と同じ年代で同じような趣味嗜好なのであれば、さほど問題にならないかもしれないが、場合によっては、BGMと店がマッチしないことが弊害となっている可能性があるのだ。

IN THE LIGHT
1-15-16 Musashigaoka, Kita-ku,
Kumamoto-city, Kumamoto 861-8001
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