• Yuichiro Noguchi

LESS IS MORE

更新日:4月7日

『ジーンズ1本を作るためには、約7,500リットルの水が必要になりますが、これは人が7年かけて飲む水の量に相当します。』


環境に有害な影響を与えている産業として、私たちが最初に思い浮かぶのは製造業、エネルギー、輸送、さらには食品生産といった業界ですが、ファッション業界は毎年930億立方メートルという500万人のニーズを満たすのに十分な水を使用し、約50万トンものマイクロファイバーを海洋に投棄しています。炭素排出量を見ても、ファッション業界は国際航空業界と海運業界を足したものよりも多い量を排出しています。

米・マッキンゼー&カンパニーの報告書によると、繊維・アパレル業界の温室効果ガス排出量は世界全体の6%を占めています。また世界銀行は工業用水の全汚染の20%が繊維工場の排水が原因と指摘しています。こうした状況もあり、国連貿易開発会議(UNCTAD)は環境汚染産業の1位に石油、2位に繊維・アパレルを挙げています。



『服は環境破壊をしている』


ショップに並んでいる華やかな服たちがCO2を排出したり、森林を破壊したり、川や海を汚したりしているようにはなかなか想像しづらいかもしれませんが、ファッション業界が環境に与えている負荷は意外にも大きいのです。

ファッション業界のCO2排出量は増加の一途で、2015年比で60%以上増加し、2030年には約20億8千万トンになると予測され、一年間に2億3千万台の乗用車から排出されるCO2の量にほぼ等しいのです。また化学物質の使用も多く、服の素材として約3割を占める綿は世界の農地の3%を占めていますが、このわずかな土地で全殺虫剤の16%、全除草剤の7%が使われています。こうした農薬の影響で吐き気やガンなどの健康被害に悩まされる農家は多く、染色の際の重金属や環境ホルモンなどの化学物質が川や海を汚染し、地域の人々の飲み水を奪っています。

Tシャツ1枚をつくるのに必要な水の量は2720リットルと言われ、1日の平均飲料水を一人あたり約1.5リットルとすると約5年分の水が使われていることになる。

1キロの綿をつくるのに1万から2万リットルの水が必要で、特に染色は水を多く使う。全生産プロセスで使用する水の85%が染色で使われ、1キロの繊維を染めるのに100から150リットルの水が必要といわれます。


さらにマイクロプラスチックの問題にもかかわっていて、マイクロプラスチックは推計で最大約1300万トンも海を漂っているそうです。これがPCBなど有害化学物質を吸着し100万倍にも濃縮することが明らかになっています。現在、服の約6割はポリエステルやナイロンといった化繊でつくられていますが、それが洗濯をする度に細かな繊維となって下水へと流れ、河川や海に流れ出た繊維は魚の体内に入り、私たちの身体に入ってくることも懸念されています。

そして、ゴミの問題。毎年ファッション業界から9200万トンの繊維が廃棄されていて、2030年にはさらに5700万トン増えると予測されています。これは一人当たりに換算すると一年で175キロもの繊維ごみを出すことに等しいといいます。日本における衣類の3R(リユース、リサイクル、リペア)率は約26%、ペットボトルやアルミ缶のリサイクル率(約8割)と比べるとかなり低く、残り7割以上は焼却処分か埋め立て処分されていることになります。日本は衣類の約95%を海外からの輸入に頼っていて、大量の衣類をわざわざエネルギーをかけて運び、大半をごみとして捨てているわけです。日本だけでも新品のまま廃棄される服は10億着にものぼります。大量生産で製造された安価な服たちは、環境だけでなく、生産現場の人たちの化学物質による深刻な健康被害や、過酷な労働環境につながることも。こうした一着の生産工程の裏側には、根深い問題が数多く存在しています。



『LESS IS MORE』


一部の小売業者は業界が環境に及ぼす有害な影響を和らげようとする運動を起こしているものの、ファッションを本当の意味で持続可能にできる方法は、使い捨て型の文化に終止符を打つことしかありません。McKinseyの2019年の報告書によると、平均的な人が買う衣料品の数は15年前よりも60%増えている一方で、買ったものを手元に置いておく期間は半分に減っています。同じ衣料品を使う期間を2倍に伸ばすだけでも、ファッション業界の温室効果ガス排出量は半減するかもしれないそうです。

また、作り手だけでなく購入者の意識も作り手の在り方に影響を与えます。単に見た目の良し悪しだけでなく、「環境に配慮されているか」、「不公平な労働環境で作られていないか」、「きちんと作られていて長く着られるものか」、そもそも自分にとって本当に必要なものなのか...服を買うときはもっと慎重になるべき。売れるからとか、安ければいい、といって安易に作ったり、買ったりするのではなく、モノの生産背景から役目を終えた後までを考えた上で行動をすることが大切なのではないでしょうか。


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