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執筆者の写真ノグチユウイチロウ

照明の色温度について

更新日:2021年4月10日

家づくりをされたことがある方なら、みなさん打ち合わせの中で照明の色について聞かれたことがあると思います。


色温度ともいいますが、住宅の場合は主に、5000/3500/2700K(ケルビン)の3種類から選びます。

5000Kは蛍光灯と同じ白っぽい色、2700Kは白熱灯のような電球色、3500Kは温白色というやや黄色みがかった(白っぽいオレンジ)色といった感じです。


最近の新築住宅の場合は、LDKやリビング・居室は温白色、廊下・洗面脱衣・トイレは電球色といった提案されることが多いのではないでしょうか。


昔はそれこそ電球しかありませんでしたので全て電球色だったのですが、1950年代頃から蛍光灯が普及し始め、LEDが普及する2010年頃までは蛍光灯の下で暮らすことが普通だったと思います。


LEDの普及と同時に、新築住宅の照明もシーリングライトからダウンライトへ主流が移り変わってくると、部屋の灯りもそれまでの蛍光灯の白っぽい色から、ダウンライトの電球色へと変わっていきます。

しかし、当初のダウンライトは電球色しかない上に、LEDの光量不足も重なって特に暗く感じがちでした。


そんなわけで最近の新築では、3500Kのやや白っぽい温白色を選ばれることが増えているということなのです。


しかし、欧米に目を向けると、欧米の住宅ではLED照明はほとんど普及していないどころか、今だにオレンジ色の白熱電球が主流です。

そもそも欧米では8割の人が中古住宅を取得するので、その辺りが日本の事情とは違うということもありますが、住まいの灯りに対する考え方がそもそも日本とは違います。


欧米の家庭では蛍光灯を使うことが少なく、白熱電球を使用している場合がほとんどです。照明も一台で部屋全体を照らすのではなく、テーブルの真下など明るさが必要な場所をそれぞれ別の照明で照らす多灯照明が普通です。


また、目の色が薄い欧米人は、白色系の強い光を好まず、薄暗い程度の明るさを好みます。 欧米人が日中によくサングラスをかけるのも、このことが影響しています。

日本では、幼い頃に「そんなに暗いところで本を読んだら眼が悪くなるよ」ということを言われますが、フランスでは「そんな明るいところで本を読んだら眼が悪くなるよ」なんて言われるそうです。


日本では照明は「部屋を明るくするためのもの」という考えが根付いており、住宅においても「照明は明るければ明るいほどいい」という考えがありますが、欧米では青白い蛍光灯の色は病院や工場を想起させるといった理由からも、住宅では白熱電球の照明が好まれています。


以前にロサンゼルスのグリフィスパーク天文台から見た夜景が、それまで見たどの夜景よりも綺麗だったのを覚えています。そこはすべて灯りが白熱灯のオレンジ色で統一されたもので、市の条例によってそのように定められているそうです。


日本でも上質なホテルの多くは、欧米のホテルにならって間接照明を採用しています。そのため、日常の生活よりも暗いと感じる部屋も少なくありません。

欧米の高級レストランでは、店内が暗ければ暗いほど高級であるとされている風潮もあり、

「薄暗くほのかに表情がわかる程度の明るさが、人の表情が一番美しく見える」と言われるほど、雰囲気づくりのために照明は欠かせない要素となっています。


近年ではスターバックスを始め、そのような灯りの空間が一般にも広がりつつあります。

そういった場所で仕事や勉強をしている人を見かけると、これまでの蛍光灯の下でないと目が悪くなるとか、効率的でないといった考えから、仕事や勉強もより快適な場所で過ごすことの方が良いと思う人が増えてきているのを感じます。


いまは過渡期ともいえる日本の住宅照明ですが、より室内の雰囲気が重視されるようになってくると、近い将来には温白色でも「雰囲気がイマイチ」と思うようになるのかも知れませんね。


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