前回、ヴィンテージ・マンションの定義についてコラムを書かせていただきましたが、その2では、ヴィンテージ・マンションを選ぶメリットと注意点について記述したいと思います。まずはメリットについていくつか上げていきます。
①手頃な価格で購入できる。
→新築よりも安く購入できるので、その分の予算でリフォームをして新築マンションにはない個性的なインテリアに作り替えることも可能です。
②住環境を実際に確認できる。
→実際の部屋を確認して眺望や近隣住民の方など、住環境まで十分に検討することができる。
③資産価値が下がりにくい。
→当時の高級マンションとして建設されたものは、立地や間取りやデザイン性など一般的なマンションよりも贅沢な作りになっています。また最上階や角部屋など特別な条件が揃った部屋はさらに人気があります。
次に注意点です。
①建物が古い。
→建築時は最新の設備だったとしても数十年も経過するとその古さは否めません。専有部分であれば交換も可能ですが、遣り替えが困難なケースもあります。
②一般的なマンションと比較すると購入価格が高い。
→高級マンションは作りや設備等が一般的なマンションよりも贅沢に作られているので、たとえ中古になっていてもそれなりに高額です。
マンションに限らず、土地・建物・クルマ・家具など世の中には様々なものが溢れています。新品に拘らず、中身にフォーカスして探してみることで、これまでとは違った価値を見出すことができます。
ヴィンテージ・マンションの最大の魅力は新築では手が届かなかった物件でも、中古であれば予算内で購入できる可能性があるということに加えて、新築よりも資産の目減りが少ない『つまり大きな損をしない』ことにあります。また購入時の価格下落率とリフォームのタイミングを上手く見極めれば、リフォームで資産価値を高めることも可能です。
わかりやすい例えでいえば、古い車(ヴィンテージ・カー)があります。希少価値が高い車はそれだけでも価値がありますが、きちんと整備されたヴィンテージ・カーに至っては驚くほど高額です。しかし、その価値がわかっている人にとっては決して高い買い物ではないはずです。古い車に乗る人の多くは愛着を持って長く所有するので、新車を次々に乗り替えるよりも実は経済的だったりもします。
住まいも同様に安いからといって安易に購入すると、いざ売却するとなった時に相場よりも安い価格でしか売れなかったり、人気がないが故に売却自体が思うように進まないケースも少なくありません。自分がずっと住み続けるのだから関係ないと思う方もいると思いますが、住まいは生涯の中で最も高額な買い物です。そこで思わぬ損をしないためにも、新しい古いとか価格だけでない、本来の価値をしっかりと見極めてから判断することをオススメします。
photo by kawaguchi Apartment, Tokyo 1964
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